Keiko N. 妊婦エッセイ

日本における妊婦服の傾向と
働く妊婦の対策について

妊娠したら、体形が変った。当たり前である。

今まで着ていた洋服が、下着からコートまで、じわっじわっときつくなり、ついにホックがかからない、ジッパーが上がらない状態になる。

私の場合、体形が実際に変り初めた5か月目以前に、つわりの苦しさからまずブラジャーを放棄した。ウエストのぴったりしたスカート及びパンツなども放棄した。

そして「ううむ、悪あがきもこれまでか!」と腹をくくってデパート等の妊婦服売り場に乗り込んだわけである。

まず、ポイントが二つ。
1:下着からストッキングまで、アンダー物は非常によくできている。
2:高い。「ばかにしてんのかしら?」というほど高い。

最初に買ったのは、家にいるときに着るためのブルージーンズのオーバーオールである。妊婦服売り場の商品は9800円。
ふと思い付いて、普通の婦人服売り場に行ったら、3900円だった。
試着をして「何一つ変らん」という事実を目の当たりにした私は、普通のLサイズを買った。裾はぐるぐると折り返して着ている。とても具合が良い。買ったのは3月だが、真夏の産み月までいけそうだ。
同じフロアの30メートル離れたところにこんな矛盾が隠れているのが、妊婦服だ。

日本の妊婦服売り場を見てあぜんとすることは、ばかの一つ覚えのようにジャンパースカートしかないということ。
(産婦人科の受付&待合いは、ジャンスカのファッションショー会場でもある。)
着ていて楽なジャンスカだが、あれにも「出歩く」には致命的な欠陥がある。今の流行なんだろうが、丈が長すぎて階段が危ないのである。
ただでさえつらい階段の上り下り、お腹も出てくれば、足元も見えにくくなるんです。なんであんな「わざと妊婦を転ばせたがる」様なデザインが主流なんでしょうか?

ワンピースはほとんどフォーマル用。しかもなぜか乙女チック路線物が主流であった。

疑問:働く妊婦は何着ればいいのよ?

ジャンスカだって家ならいいよ、遊びならいいよ。
だけど、そんなもんズルズル引きずって、会社へ行けるか?
客先へプレゼンしに行けるか?
部長、社長クラスのエグゼクティブから、ただでさえ見下されている日本の働く女性たちに、妊娠しただけで今までに築き上げてきた実績とプライドを棄てろってか?。
いやなこった。

別に、妊娠を隠し通す気は無い。ただ「みっともない格好」「きちんとしていない服装」になりたくないだけだ。

さて、そんな妊婦服何処にある?
佐々木かをりさんが著書で述べていたが、日本の妊婦服は「いかにお腹を綺麗に見せるか」(つまり妊婦はお腹を見せたい)が基本であり、欧米の妊婦服は「いかに妊婦を普通に見せるか」(つまりどちらかといえば、ぱっと見てもわからない程度に隠したい)が基本であるということ。

たまたま私は8月が産み月。
日本の梅雨と夏を働き抜かねばならないわけで、Tシャツとスパッツで会社に行くわけにはいかんのです。

何処へ行っても納得できる製品に会えなかった私は、豊臣秀吉的結論へと達しました。

「売らぬなら、作ってやろう、妊婦服」

基本は簡単です。まず、おそらく今までは近くにも寄らなかったであろう「オバサマ服売り場」へ向かい、とにかく大きいサイズのコーナーへ行きます。もしもあなたが、今まで9から11号サイズだったとしたら、目指すは15号です。少し長めのタイトスカートを物色しましょう。結構チープ?長く着るわけではないのです。安物で十分。色と生地で3本くらい選びます。
次はヤングカジュアルへ出かけます。サスペンダーを1本買います。細身で、なるべく薄い色のものが理想です。

さて、ここからがみそです。
洋裁の上手な方は自力で、そうでない方は、洋裁の上手な知人、友人、親戚、ご近所の方を探していただきます。

で、縫い直すのです。ウエストを、ブラジャーのすぐ下に合わせて丈を決め、腿の付け根辺りからタイトスカートの形になるように脇を縫い直すわけです。

これにサスペンダーをつけ、上からばっさりと、今まで来ていたブラウスを来て、ダブルのジャケットを羽織れば、ばっちりです。
商売始めちゃおうかしらって位、ばっちりです。

しかしまあ、日本の女性って、妊娠すると会社、即、やめちゃう人ばかりじゃないですよねえ?
妊婦服市場を見るに、そうなのかなあとおもわざろう得ない今日この頃。

さて、パンツはどうしよう?