過去における育児日記

思い付くままに書き綴った過去の育児日記です。
本当は毎日書ける程いろんな事があったけれど、書く時間は、なかった。
残しておきたいような、心にあればそれで良いような、
書く時間があれば息子の顔を見ていたいような。

1999年12月
子供の病気はいつも「突然」である。
いや、気配とか兆候とか「そう言えば・・・」はあるのかもしれないが、やっぱり、結局「突然」になる。
息子の場合、本当に山あり谷ありの乳児期であった。
そりゃ、どこの子もそうだといえばそうだろうが、ちょっと想像してほしい。
「母乳がたっぷり出る乳を、まったく吸わない赤ん坊」
「それしか栄養源が無いというのにミルク/母乳を泣いて暴れて拒否する赤ん坊(当然、どんどん痩せていく)」なんて、私は聞いたことが無かった。
聞いたこともないのに、そんな赤ん坊を目の当たりにして「あんたの赤ん坊だよ、何とかしな」と神様にせせら笑われてしまったような状況が、延々6ヶ月も続いたのだ。
当然、家族全員、精神病発病一歩手前で持ちこたえ、息子の今日がある。
前置きが長くなったが(いつもか・・・)そんな息子は不思議に「病気」にはかからなかった。
よその子が、失神やあせもやかぶれや飛び火や風邪や喘息やもっともっと大変な病気をしながら、
親を泣かせている話を良く見聞きしたが、息子はその弱々しい赤ん坊に有るまじきガリガリの身体で、なまっちろいひ弱な姿で(白人だから白いだけなんだけど)、ろくろく栄養も受け付けず、それでも、熱一つ出したことが無かった。
それが、唐突に、39度7分の熱を出した。
大ボケな母親である私は「おう!これが突発って奴か!」と勝手に診断を下した。子供を持っている母親しか知らない(?)病気「突発疹」。
ところが息子は熱に浮かされ、奇態な行動に出るわ、泣き通すわで、大変な1晩になり、汗びっしょりなのに何を与えてもろくに飲まず、当然食べ物も受け付けない。
ダンナが「おまえはそう言うが、一応病院に電話くらいしてみろ。」と言うので、電話を入れたら、即連れてこいという。慌てて連れて出るが電車の中でもぐったりと死んだように弱々しい息子。
診断は「扁桃腺炎」。「へ?」と、ボケまくったのは私だ。
「突発の時は元気があるの!食欲もあるの!!」と見知らぬ女医に叱りつけられ、反省しまくりました。
その後、熱は下がっても鼻水がズルズル。
なんて当たり前なもんだから、市販の薬を あれこれ与えていたら、どんどんと悪化していってしまい、またもや病院に駆け込む羽目に。
再発熱、じんましんと紆余曲折を経て、ようやく治ったのが3週間後でありました。
息子は更にスリムなバディになりました。
いやー、参りましたね。何が困る、何がつらいって、子供の病気ほどひどいものはないと知りましたね。
だってね、「自分で鼻がかめない」んですよ。そ!そんな馬鹿な!!
水っぱながたらたらと流れるまま・・・。あーあー、かわのながれのよーにー。
それだけだって、悲惨なのに、眠ると今度は鼻が詰まってしまうらしい。
ところが、赤ん坊って奴は「鼻が詰まると呼吸困難」になるようだ。え?って感じだ。
大人はしょうがねーなーと、口で息をするだけのことだが、彼らはそれを習得するのに時間がかかるんですね。
で、夜中じゅう泣きっぱなし。親はげっそり。
眠れないって、やっぱり、何よりキクわ。
子供を産んで初めて知ったことだが、世の中には「まあ、よくもこんなものまで!」と言うほどいろんな「育児用品」が売られている。しかし、その中で「本当に偉い!これは素晴らしい!」と思える商品は、実は半分くらいしかない。あと半分は「金の無駄」だ。
息子が生まれる前にごちゃごちゃと買ったものの中に「鼻吸い器」もあった。
「赤ん坊の鼻水をチュッと吸いだすスポイト」のようなものだ。
今回の風邪で「そう言えば買っておいたよ、これこれ!」と出してみたが結果はさんざんだった。
機能も去ることながら「子供が恐怖で暴れまくる」のである。
ただでさえ、洟垂らし状態なのに、泣き出されてしまえば、さらに鼻がたれて「本末転倒」である。
まわりの経験者がほほ笑ましい優雅さを湛えておっしゃるには「口で吸ってあげるのが一番よ」である。
白状するが、私はこれには「想像するだけでゾッとした」。
「いくらかわいい我が息子と言えど、うんちにまみれたお尻をきれいにできても、鼻は吸えない・・・。」と、かわいそうな息子に「ごめんね」と心で謝っていた。
しかし、人間必要に迫られれば何でもやるんである。
あまりのあまりのあまりの悲惨な姿に、フロ場で私はついに息子の鼻を吸ってみたのである。
詳しくは言うまいが「見事なすっきり感」に息子は歓喜していた。怖がりもしなかった。
彼にしてみれば「お母さんにお鼻にキスされたら気持ち良くなったー!」てなもんだ。
運良くその晩以降、彼はどんどん回復してくれた。ほっとした。やっぱり2度とやりたくない気がする。
ダンナにその話をしたら「おれにはできねええええーーー!悪いけど絶対できねえー!!」と泣きそうな顔になっていた。(彼も想像力は私と同じくらいたくましい人である。)
これからもいろいろ病気するんだろうな、と、思うとぐったりだ。(突発もまだだし。)
「変われるもんなら変わってやりたい親心」ってのはよく言ったもんだ。
自分がするほうがよっぽど楽だ。